「死」に向き合うための「生前葬」
「生前葬」とは聞きなれない言葉かもしれません。自分が「生きている」間に、自分も参加して「葬儀」を執り行うことです。生きているうちに感謝を伝えたい、自分の死後まわりに迷惑をかけないようにしたいといった思いから行われる、「終活」と呼ばれているものの一つです。
今回のアンケートでは、その自分の「生前葬」を考えたことがあるかということについて調査しました。
【質問】
自分の生前葬をしたいと思ったことはありますか?
【回答数】
●ない:87
●ある:13
「死」を意識するよりも、今を生きることを考えたい
アンケートの結果、自分の生前葬はしたいと思ったことのない人の方が多い結果となりました。
・死んでもないのにお葬式っていう感覚がよくわからないからです。
ただ、自分が元気な時に会いたい人には会っておきたいと思います。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・生きている間は、死ぬことを考えずにとにかく目の前のことに集中したいから。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・そこまでは考えたことはありませんが、終活は色々と行いたいと考えます(40代/男性/正社員)
・生前葬の意味があまりわかりません。お葬式はお別れし、遺族の気持ちを切り替えるものだと思うからです。(30代/女性/パート・アルバイト)
「生前葬」という形が、まだまだ受け入れられていないということがわかります。多くの人にとって、「死」があっての「葬儀」という考えが根底にあり、そこでひと区切りつけ「死」というものに向き合います。それを「生前」に行う「生前葬」に対して違和感を感じるようです。「死」というものが目の前に迫ってくるまでは、どこか遠ざけておきたいという意識が見え隠れしています。
「生前葬」は自分の人生を振り返る場
続いて、自分の生前葬をしたいと思ったことがある人の理由ですが、次のようなことが挙げられます
・生前にお世話になった方へ直接、お別れができるという意味では、興味があります。(40代/男性/正社員)
・元気なうちに、合いたい人やお世話になった人を集めてお誕生日などのパーティを開き、結果的に生前葬だったという風にしたいと思っております。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・生前葬をして、明るい雰囲気で葬式をしてみたい。香典ももらえたらありがたい。(40代/男性/無職)
「生前葬」というかたちで、自分の人生でお世話になった人や、会いたかった人に会っておきたいからという考えが中心になっています。自分が元気なうちに行うということに意味があります。「葬儀」は人に執り行ってもらうものですが、「生前葬」は自分が主体となって行われます。そこには悲しみというよりは、前向きな形での「葬儀」があるようです。
自分の人生を振り返ってみる機会として
「生前葬」に対して、少し否定的な感情を持つ人の方が多いです。まだ「生きている」のだから、「死」についてなど考えたくないというのはもっともな意見です。「葬儀」をもって、それぞれがお別れと考えるのは当然のことなのかもしれません。ただ「終活」という意味で考えてみた場合、今までの人生を振り返り、伝えたい思いを伝えられる機会となる「生前葬」はまたとない場になるでしょう。突然のお別れではなく、共に過ごした人生の証を感じられるのですから。「終活」の一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2017年06月28日~2017年07月12日
■有効回答数:100サンプル