今注目!形にこだわらない「無宗教葬」でどんなことができる?
一般的に葬儀というと仏教やキリスト教などのいわゆる「宗教葬」が多くなっています。ただこれらには決まった形式があるため、故人の個性や好みを生かした葬儀にするのは難しい部分も。そんなとき一つの選択肢として「無宗教葬」があります。形式にこだわらず自由な形で故人を見送れる無宗教葬ですが、もし執り行うとしたら皆さんはどのような内容がよいと考えているのでしょうか。アンケートを取って意見を聞いてみました。
【質問】
大切な家族の葬儀を無宗教葬にするとしたら、次のうちどれをやりたいですか?
【回答数】
●思い出の写真のスライドショー:42
●故人が好きだったお菓子やコーヒーで御見送り:37
●バンド生演奏:9
●その他:12
写真には思い出がいっぱい!皆で語り合う温かなひととき
アンケートで最も多かった回答は「思い出の写真のスライドショー」で42パーセントでした。そこにはどんな思いが込められているのでしょうか。
・思い出の写真をみんなで見ながら、思い出を語り合いたいと思ったから(20代/女性/学生)
・故人の元気だった時を最後にみんなに思い出してもらいたいからです。(40代/女性/パート・アルバイト)
・元気だった頃のイキイキした写真などを見てもらいたいです。参列してくれた人と一緒に写っているものがあれば特に見てもらいたいと思います。父の家族葬でもアルバムを設置して参列者が自由にいつでも見られるようにしましたが、喜ばれました。(50代/女性/専業主婦(主夫))
・楽しかった時や良かった時の思い出を振り返られるので故人も喜ぶのではないでしょうか?また残された家族もあらためて個人に感謝できるのではないでしょうか。(40代/男性/正社員)
大切な人を失った悲しみの中で、楽しい思い出の詰まった写真を皆で見ることは残された人々にとって大きな癒しとなりそうです。自分たちと一緒に笑顔で写った写真を見れば、幸せな思い出もありありとよみがえり、共通の思い出話に花を咲かせるひとときも持てるでしょう。写真という人生の記録を見直すことで、故人の生きた証を心に刻み、あらためて感謝の気持ちもわいてくるのかもしれません。温かな笑顔のお見送りとなるのではないでしょうか。
好きなものに囲まれて…明るく見送ってあげたい
続いて2番目に多かったのは「故人が好きだったお菓子やコーヒーで御見送り」で37パーセント。続いて「バンド生演奏」と答えた人も9パーセントいました。
・押し付けがましい何かで送られるより、好きだった何かで送られる方が良いと思う。(30代/男性/個人事業主)
・そのあと、みんなでアルバムなどをみながら、お茶やお菓子をいただけるから。なによりの供養は忘れないことだから。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・明るい気持ちでお見送りしたいので、バンド生演奏は素敵だと思います。(30代/女性/正社員)
・ジャズが好きな人には「ジャズで送られる」というのはたまらないものではないだろうか。(40代/男性/正社員)
この二つに共通しているのは「故人の好きなもので送りたい」という気持ちです。
好きなもので送りたい、というのは亡くなった人のためもありますが、送る側にとっても最も故人を近くに感じられる行為なのではないでしょうか。好きでよく口にしていたお菓子やコーヒーをみんなで味わいながら思い出を語り合うひととき。お気に入りの曲が流れれば、心地よくリズムに身を任せていた姿も目に浮かぶかもしれません。いずれも、どちらかというと「明るい」葬儀になりますが、それを不謹慎と思わなくて済むのも無宗教葬の大きなメリットといえそうです。
無宗教葬はその人らしい旅立ちを見送る一つの形
昔と違い宗教と生活の関係があまり密接でなくなった現代。それだけに、宗教葬にはどうしても形式的なイメージが付きまとうと感じる人も多いのではないでしょうか。形式よりも内容を重視したい、亡き人をしのびながらみんなで心を込めて送り出してあげたい、という方にとって無宗教葬は魅力ある選択肢といえそうです。あらかじめこうした葬儀の形があることを知っておき、自分のときはこうしてほしいと家族に伝えておくのもよいかもしれません。
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2017年06月28日~2017年07月12日
■有効回答数:100サンプル